いま、世間では地方移住が静かなブームとなっています。「地方移住」という言葉を初めて耳にする人の多くは、これを”どこか地方都市へ引っ越すこと”と捉えがちです。
一般的に地方移住とは、人里離れた山奥や離島へ移り住むことを指します。都市から離れた暮らしを求める人たちが、その移住先として選ぶのが離島、とりわけ南国の離島です。そんな南国の離島の中でも、多くの注目を集める奄美大島。
奄美大島は「東洋のガラパゴス」と称されるほど、美しい自然と多様な希少生物が同居する島です。
そんな魅力あふれる奄美大島ですが、憧れだけを抱いて安易に移住してはいけません。
”いざ移住してみたら思っていたものと違った”
”やっぱり都市での生活に戻りたい”
こうしたことにならないよう、奄美大島への引っ越しを決める前に、その代表的なメリットとデメリットをきちんと把握しておきましょう。
奄美大島へ引っ越すメリット
多くの人が憧れを抱く南国の島での生活。奄美大島へ引っ越しすることのメリットをひとつずつ確認していきましょう。
スローライフを送ることができる
これは実際に移住した人たちが声を揃えて挙げる「奄美大島へ引っ越しすることのメリット」です。
奄美大島のような離島では、喧騒とは無縁のゆったりとした生活を送ることができます。都会での慌ただしい生活に疲れた人にとっては、これが最高のメリットといえるかもしれません。
豊かな自然とふれあえる
マングローブの森や亜熱帯の植物があふれる原生林。コバルトブルーの海や色鮮やかなサンゴ礁
。奄美大島には、息を呑むほどの絶景が広がるスポットがいくつもあります。
また、特別天然記念物をはじめとした希少生物が生息し、奄美大島の海には毎年冬になるとザトウクジラがやってきます。
奄美大島は、「東洋のガラパゴス」と称されるにふさわしい、美しい自然と多様な生き物が同居する南国の島です。
離島ならではの趣味を楽しむことができる
奄美大島はマリンスポーツを楽しむのには最適なロケーションで、ダイバーやサーファーに人気の移住先となっています。
趣味を楽しみながらも美しい自然を肌で感じることができる、魅力的な環境です。
人の温かみを感じることができる
奄美大島のような離島は人が少ないですが、それだけに地域の交流が密接です。島の人たちは困ったことがあれば互いに助け合い、人と人の繋がりを大切にします。
ゆったりと流れる時間の中で暮らす人たちはとても優しく、そうしたコミュニティの中で生活していると、心も穏やかになります。
奄美大島へ引っ越すデメリット
奄美大島のような離島は、理想だけでは暮らしていけません。そこには厳しい現実があることにもきちんと目を向けましょう。以下に挙げるのは、移住が失敗となってしまったケースの要因となる代表的なものです。
仕事がない・給料が安い
実際に奄美大島へ移住した人たちを悩ませていたのは、仕事の問題です。”移住したはいいけれど、なかなか仕事にありつけない”というケースは少なくないようです。また、給料が安いということも頭を悩ませる問題です。
こうした仕事に関する問題は生活に直結するため、非常に大きなデメリットといえるでしょう。
奄美大島に限らず、こうした離島への移住において、移住先で仕事が見つからないという問題はつきものです。
ライター、エンジニア、デザイナーなどの自宅で仕事ができるような職業の人は、この点については非常に強いです。こうしたパソコンとインターネット環境があれば、どこにいても仕事ができる「リモート業務」は、離島のような環境には最適の仕事といえるでしょう。
こういった収入を確保できる体制を移住前に整えておくと、移住後に収入がストップしてしまうという心配はなくなります。
厳しい住宅事情
奄美大島には、「築古物件」と呼ばれる老朽化した空き家が数多くあります。こうした築古物件は格安で購入できても、住むためには修繕・改修が必要な場合が多く、結果的に費用が高くついてしまいます。
賃貸住宅においては、離島特有の賃貸契約条件があり、賃貸契約を結ぶことのハードルが高いという不動産事情があります。また、意外なところでは、家賃が高いということがあります。
また、島全体のインフラ設備が不十分であることも把握しておきたい部分です。
終わりに
以上、『奄美大島へ引っ越しすることのメリットとデメリット』についてお話ししました。離島への移住を考える多くの人が、その移住先として奄美大島の名を挙げますが、そこにはやはり理想の陰に隠れた現実がありました。
奄美大島への移住を検討しているという人は、今回お伝えした『奄美大島へ引っ越しすることのメリットとデメリット』、これらをよく鑑みた上で移住の決断をしましょう。